大人になって始めるピアノ

習い事をするときには、必ずしも実務面ばかりを気にする必要はありません。
仕事に直接的に関係するようなことを習うことも確かに便利ですが、時には全く仕事と関係がないような習い事にチャレンジしてみることで、間接的に人生を豊かにするための方法を見つけることができるかもしれません。
脳科学者の澤口俊之先生は、子供のための習い事として一番のおすすめは「ピアノ」であると言います。
ピアノを習うというと、子供のときからの英才教育として将来ピアニストや音楽に関係する職業につけるようにするためというイメージを持たれるかもしれませんが、効果はそれだけではありません。
澤口先生の言葉をもう少し引用してみると、ピアノを演奏するということの中には、指を動かし、先を読み、楽譜を暗記するといった複数の脳の働きが含まれているといいます。
このような複数の動作を一度に行うということは脳を活性化させることができ、さらに美しい音楽にふれることにより情操を豊かにし、センスを磨くことができるということです。

子供の発達段階の脳にとってそうしたトレーニングをするということはもちろん有効ですが、大人になってからもそれは同じことが言えます。
よく「もう年だからこれから何かを覚えるとか習得するとかは無理」という諦めの言葉を言う人がいるようですが、それは大きな間違いです。
人間の脳はまだ完全に解明されていない部分が多く、体の機能が年齢とともに衰えていくのに対し、脳は必ずしも加齢によって能力を失っていくというわけではないとされています。
実際、これまで定年になってから勉強を初めて医学部に入学できた女性や、往年になってから始めた楽器演奏でプロになった人などもいるので、脳の可能性は無限大であるということができます。

そこまで大げさな話ではなくても、指先をトレーニングしたり、音楽に合わせて演奏をすることができるようになるというピアノは大人の習い事としてもとても効果が高いものとなっています。
普段日常的な生活をしていると、どうしても思考回路が同じ方向にのみ偏ってしまい、新しい発想を生み出すことが難しくなったりします。
それに毎日の生活にマンネリ感を感じているような人も、音楽を演奏できるようになるという達成感があると、日常生活にハリが出て楽しさを感じられるようにもなります。
今は基礎力よりも演奏ができることを重視したピアノ教室もたくさんあるので、近隣から探してみるとよいでしょう。